オリジナルハンドメイドR.M.kalimba、カリンバについてのあれこれ

カリンバは自分のために奏でる楽器です。そのために自分に向かっていちばん気持ちよく響くようにできています。
ボディにゆるく付けてあるビーズは特有の雑音(たとえば三味線のサワリのような)を出すためのもので、タンザニアやジンバブエなどでは空缶の切れ端をキーに巻き付けたり、王冠をボディにゆるく止めて付けたり、あるいはサウンドホールに蜘蛛の卵膜を貼付けたりします。そしてこの音はこの楽器になくてはならないものとなっています。
R.M.のカリンバは端材や廃材、空缶など、その都度身近なところで手に入る材料で作っています。そのため既製の量産モデルと違い同じものはひとつとしてありません。
見て、触って、そして鳴らしてみて、手や耳にしっくりくるカリンバを選んで下さい。

  • まず最初に作者とカリンバについて
  • フリーマーケットやアートマーケットなどでカリンバを並べて売っているとよく「アフリカに行って勉強して来たんですか?」あるいは「アフリカの音楽をやっているんですか?」などとよくお客さんに聞かれることがあります。
    もちろん「アフリカ」という存在(という言い方も変ですが)にはかなりの興味を持っていますが、実はそういうところからカリンバを作りはじめたわけではないのです。
    作者は長く歌を歌いながら暮らしていますが、それはアメリカのカントリーミュージックやもっと古いフォークソング、あるいはヒルビリーソング、黒人のブルーズ、それからハワイアンミュージック、そしてロックやポップミュージックなどに(そしてもちろん日本の歌謡曲などにも)影響を受けたものです。
    もうずいぶん以前、中古楽器、主に生ギターやウクレレなどをアメリカなどから個人輸入のような形で仕入れて、オークションなどで売りながらフリーマーケットなどでも古着などと一緒に売って歩いていました。
    そんな中でだんだんと売るものが変わって行き、中古楽器はほとんど扱わなくなりましたが、数年前にふとしたことからアフリカのパーカッション、アサラトを仕入れて売るようになりました。
    そしてアサラトを売りながらなんとなくもっと音のするものもやりたいなと思い、タンザニアのカリンバをいくつか仕入れて売ってみたのです。
    このタンザニアのカリンバはそんなに高い値段でもないのですが、昨今のフリーマーケットなどの中ではけっこう高い値段(とは言ってもせいぜい3000円前後)になるので、最初は売れないかな?とも思ったのですが、これがけっこう売れて、自分もときどき音を鳴らしながら売るのは楽しいものでした。
    しかしフェアトレード的な商品でもあり、自分が直接仕入れていたわけではないのもあり、なかなか安定して仕入れることも難しく、どうしたものかな?と思って眺めているうちになんとなくそれほど難しい構造のものでもないし、それじゃあ自分で作ってしまおうか?と思って作りはじめたのです。
    それから手元にあったタンザニアのカリンバを眺めまわしたり、インターネットであちこち調べまわったりしながら形や素材を考えたり、自分の作りやすさやフリーマーケットなどで売るときの事情(カリンバをよく知らないお客さんにもいじりやすかったり、わかりやすかったり)も考えながらだんだんと今のような形になって来たのです。
    そして今もほんの少しずつではありますが、改良(というほどのものでもないですが)を加えながら作っています。

  • そしてカリンバという呼び名
  • カリンバ(kalimba)という名称は広く認知されていますが、実はアフリカ音楽研究家であるヒュートレイシー氏の南アフリカのメーカー、アフリカンミュージックインストゥルメンツ社の製品の商品名であり商標です。
    ご存知の通りアフリカというのは国ではなく、日本で言えば電車に乗って隣の駅で降りたらもうそこは別の国で、使われている言葉もまったく別の言葉..というくらいたくさんの国がある大きな大陸です。
    そのためこの楽器の呼び名も国や部族によって様々で、リンバ、カリンバ、イリンバ、チリンバ、サンジ、デング、ムビラ、リケンベ、などなど..それこそ数えきれないほどの呼び名があります。
    あるいは英語的には親指ピアノ(thumb piano)という呼び名が一般的かも知れません。
    しかしこの親指ピアノという呼び名には白人が勝手に自分たちの文化に取り込んで付けた名前であるという、ある種の反感を持たれている部分もあるという話しも聞きます。
    そんなこんなでいろいろですが、R.M.は割合広く知られていると思われるカリンバという呼び方を使っています。

  • その形やデザイン
  • カリンバは呼び名がその国や部族によって様々なのと同様にその素材や形も様々です。
    一枚板のもの、箱形のもの、空缶を使ったもの、そして東南アジアなどで見かけるものや日本を含めたあちこちのビルダーによるものには椰子の実やひょうたんをボディにしたものも多いです。
    そしてデザインもただ素朴なものから複雑な柄を彫り込んだり、あるいは焼きごてで描いたりした、むしろアート作品のようなデザインのものまで。
    そんな中、R.M.は最初に手にしたタンザニアの箱形のものをお手本にして作りはじめ、そして現在はジンバブエのムビラを参考に一枚板ボディのものを主に作っています。

  • チューニングと弾き方
  • 例えばヒュートレイシーのものは独特のバズ音を出す装置などを取り除き、完全な西洋音階にした(そうでないものもあるようですが)もので、メロディーやアルペジオなども弾きやすい、むしろ本来的な(これにこだわるつもりもないですが)カリンバとは別の楽器ですし、日本の制作者もこれに近いアプローチをしている方も多くいらっしゃるようです。
    もちろんきちんとした西洋音階にチューニングされ、メロディや和音を弾きやすいカリンバはある意味非常にわかりやすく、手軽に(あるいはもちろん高度な演奏も)楽しめると思いますし、とっつきやすいものとなっていると思います。
    しかしカリンバは本来的にはその呼び名や形などと同様にそのチューニングもまた実に様々(おおまかにはその部族などによって決まっているのかも知れませんが)で、隣の家と自分の家では違うといったような、言わば「一家に一チューニング」的なものだったのであると思います。
    それは例えば大昔のブルーズマンのギターやあるいはハワイのスラックキーギターが白人のクラシック的音楽理論に囚われない独自のチューニングを持っていたように。
    そして弾き方もクラシック音楽のようなメロディを奏でるものでなく、単純なリフを繰り返すような、むしろリズム楽器的な弾き方であるのだと思います。
    そんなことを考えながらR.M.のカリンバはおおまかにEmペンタトニック(E、G、A、B、D/ミ、ソ、ラ、シ、レ)にして、手に取ってなんとなくパラパラと弾いても単純な音階ではなく、なんとなくアルペジオあるいはリフ的な雰囲気になるようにしてあります。
    しかしキーは動かすことができますので、ダイアトニック(例えばE、F#、G#、A、B、C#、D)となるように調整して、メロディーを弾きやすくすることもできますし、あるいはもっとアフリカ的な5音階(例えば1、2、3、5、7♭度。あるいは1、2♯、4、5、6度など)にすることもできますし、琉球音階(1、3、4、5、6度)やブルーズ的(1、3♭、4、5、7♭度)にして楽しむのもいいと思います。

  • 例えば複数のカリンバや他の楽器と奏でる
  • カリンバは西洋音楽の楽器のように決まったチューニングがあるわけではないのでその音程もマチマチです。
    R.M.のカリンバもだいたい同じような感じにはしていますが、正確に合せているわけではないのでその都度マチマチです。
    そこで複数のカリンバやあるいは違う楽器とともに演奏しようとするならばある程度のチューニングが必要ですが、元になる音だけ合せておいて、自分の気持ちのよい音が出るようにチューニングするくらいでいいと思いますし、またその方がカリンバらしい音で弾けると思います。

    これは余談ですが、イベントなどでカリンバを売ってるとき、例えばジャンベなどの太鼓を『いっしょにやろう』といったワークショップ的なものがある場合があって、そんなときには必ず周りのみなさんから「R.M.さんもカリンバで参加しませんか?」のように誘って頂くことがあります。
    もちろんとても有り難いことですし、おそらくは「アフリカ」というイメージから繋がるところで誘って頂いているのだと思うのですが、例えばジャンベなどの太鼓は同じアフリカ大陸でも西の方、カリンバは東南の地域に多く発達したものですし、元来大きな音のしないカリンバは大きな音の太鼓とはマッチングが悪く、基本的にはカリンバは太鼓とはやらないし、むしろできない(もっと音の小さなシェケレなどマラカス的なものならいいと思いますが)と言ってもいいかも知れません。
    しかし、もちろん現代には電気的に増幅して大音量で演奏するバンドもありますし、作者の知人にもコンタクトマイクによって音を拾い、エフェクトするなどして、素晴らしい演奏をするプレイヤーもいます。
    つまりは「やりよう」であるわけですが、太鼓とカリンバというのは生音のままではあまり現実的なアンサンブルではないのです。

    ..と、いろいろと書きましたが、つまりカリンバは元来自由な楽器なのです。
    いろいろと工夫して自分の弾き方や音の出し方を探りながら弾くのも楽しみのひとつだと思いますし、それがカリンバの弾き方なのだと思います。
    みなさんも自分だけのカリンバを見つけて下さい。

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